92. 光化門よ、光化門よ、お前の命がもう旦夕(たんせき)に迫ろうとしている

上記は、朝鮮総統府庁舎建設に際して光化門の取り壊しが計画された時、柳先生が書いた

日本政府への憤りの文章です。これがすぐに英語や朝鮮語に翻訳され、新聞で発表されて

内外の世論を巻き起こし結果的に 「光化門」 は取り壊しを免れました。

もちろん柳先生1人の力で取り壊しが免れたのではなく、「三・一独立運動」 と呼ばれる朝鮮の

独立運動を闘った朝鮮の人々の情熱によるところも大きいとは思いますが、危険を冒しながら

独立運動を後押しした勇気に敬意を表したいです。


国と国とを交び人と人とを近づけるのは

科学でなく芸術である。政治でなく宗教である。智ではなく情である



ここで掲げられている宗教については私なりの考えを述べますので、異論も多いかと存知ますが

ご了承ください。調べによれば柳先生は、東京大学哲学科時代に英国の画家であり詩人である

ウィリアム・ブレークに興味を持ったことがきっかけで、宗教と芸術の関係に深い関心を抱く

ことになり、宗教とは大乗仏教 (浄土思想・南無阿弥陀仏) を指しているようです。

私自身は以前から書いているように、特定の宗教を信仰しておらず、宗教自体を否定もせず、

全ての宗教 (新興宗教を除き) は創始者が説いた時は全てが正しかったのに、それが記録され

引き継がれた時点で解釈に少しずつズレが生じ、宗派が生まれ、宗教間や宗派間での争いが

絶えないとの独自の考えを持っています。よって柳先生の 「政治でなく宗教である」 は、

私自身の中では特定の宗教を指すものではなく、深遠な真理を指しているように思います。

深遠な真理とは人間の正しい生き方を示したもので、他国と友好関係を深めてゆくには

「科学・政治・智」 ではなく、「芸術・宗教・情」 だと訴えている中で、解釈が難しく漠然とした

「宗教」 は、極めて単純だけれど実行するのは一番難しい人間本来の正しい生き方、

「自分以外の相手のためになる行為の実践」 だと解釈します。


その具体的実践のために重要だったものが 「民藝」 であり、重要なものである以上は

美しくあるべきだとの考えから、「美学」 の追求が始まったのではないかと思います。


唐突に話が横道にそれて申し訳ありませんが私が 「美学」 という言葉を初めて意識したのは

1978年のことで、かの有名な 「ルパン三世のテーマ」 の歌詞の中に登場し、妙に新鮮みが

あったので、いつまでも心に残りました。


ルパン三世のテーマ
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「ルパン三世のテーマ」

作詞原案:鴇田一枝 作詞:千家和也 作編曲:大野雄二 唄:ピートマック・ジュニア


真っ赤な薔薇は あいつの唇 やさしく抱きしめて くれとねだる
瞳の奥に 獲物を映して 淋しく問いかける 愛の在りか
男には 自分の世界がある たとえるなら 空をかける ひとすじの流れ星
孤独な笑みを 夕陽にさらして 背中で泣いてる 男の美学

真珠の色は あいつのまなざし 遥かな幸せを 夢に描く
いためることを 怖れるあまりに 冷たく突放す 愛もあるさ
男には 自分の世界がある たとえるなら 風をはらい 荒くるう 稲光
都会の闇に 体を溶かして 口笛吹いてる 男の美学



そして次の出逢いは、新渡戸稲造 の著書 『武士道』 による 「日本人の生き方の美学」 でした。

「男の美学」 「日本人の生き方の美学」 「民藝美学」 に共通点はあるのでしょうか…

次回は 「民藝美学」 について考えてみます。

つづく
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