739. 円熟した光 

738. 底辺の光 の続きです。

ダイビングの日程が残り2日となったとき、3人の日本人ダイバーがリゾートに到着し

私達のフィリピン人ガイドのグループに加わることになりました。

それまで私とKさんは、Uさんの特異さに振り回されながらも視力が良いフィリピン人ガイドに

自分達では見つけられない海中生物を見せてもらい、それなりに楽しんでいました。

又、Uさん達と同じ場所からダイビングをスタートしても、綺麗な珊瑚が生息している方へ

向うようにしてくれたので、海のガレ場ばかりに滞在することは避けられました。

但し、ダイビング開始時の海況の説明も、海中で生物の名称を水中ノートで案内される時も、

全てが英語のため、日本人ガイドに案内されるほうが格段快適なのは言うまでもありません。

そのような中、Uさん達は相変わらず日本人ガイドを独占して希望通りに潜っているのに対し、

3人増えたことで数日間に築いたフィリピン人ガイドと私とKさんの心地良い距離感が崩れ、

ドタバタと散々なダイビングになってしまいました。

もちろん、新たに加わった3人の日本人ダイバーには全く落ち度はありません。

午後からのダイビングは14時30分から開始されることになっていました。

ところが夕方の買い物ツアーに参加したいとUさんが希望し開始時間が30分早められたうえ、

「明日も今日と同じメンバーで潜り、開始時間は1時間早めます」と案内があった瞬間、

これまで穏やかだったKさんの堪忍袋の緒が遂に切れました。

ここまでくると、Uさんの言いなりになっている日本人ガイドにも責任があるのではないか?

と疑問に思われるかもしれませんが、それは日本人ガイドの名誉にかけて絶対に違います。

日本人ガイドこそUさんの最大の被害者なのです。

連日、早朝から長時間「ウミウシ」探しに付き合わされ体が冷え切って疲れ果てていました。

いくら仕事とはいえ、途中で1日休みを入れるとか何か方法がないのかと気の毒に感じ、

もし、Uさん以外に責任があるとすればリゾートの経営者の問題ではないかと思えてくるのです。

又、Uさんの夫のS氏もいかがなものかと感じられるかもしれませんが、

「日本で買うより安いから味の素を大量に買うの」と買い物の理由を得意げに話すUさんに

「わざわざ味の素のために行くのか!! 日本で買えばいいだろう!!」と強い口調で諭しました。

それに対してUさんが物凄い勢いで何倍も反論し、黙る以外に方法がないS氏でした。

その日の夕方、休暇で日本に帰っていたベテラン日本人ガイドI氏がリゾートに戻ってきました。

私とKさんはI 氏と10年ほど前から面識があったので久々の再会を喜び、懐かしい思い出話に

花を咲かせていましたが、ふとしたことからUさんに振り回された数日間の話になり、

ダイビングの最終日くらいは、配慮してほしい旨を伝えました。

ちょうどリゾートにはダイビング業界でとても有名な水中写真家が取材のために滞在しており

I氏は明日から彼を案内して潜ることになっていると事前に聞いていました。

よって私とKさんはI氏と一緒に潜りたいなどと無理な希望を出すことは当然せず、

申し訳ないけれど3人の日本人ダイバーはUさんのグループに入ってもらえないか?

或いは日本人ガイドとフィリピン人ガイドを途中から交換してもらえないか? 

などと提案をし、I氏は検討を約束して、その日は各々部屋に戻りました。

1人になった私はふと、I氏に伝えた提案は利己的だったかもしれないと少し不安になり

ハイヤーセルフに尋ねてみると以下の答えが返ってきました。


・全てUの言いなりになっていたのだから主張したことは正しい。
・何一つ落ち度がないから一切心配するな。
・リラックスするために来たのだから主張するべきことはしなければいけない。
・日本人ガイドにも落ち度と責任はない。全体の問題だ。一緒に潜りたかったと伝えればよい。



翌朝のダイビング最終日、まず、日本人ガイドから私とKさんに謝罪があったので昨夜の

ハイヤーセルフの言葉通り「あなたに落ち度と責任はない。一緒に潜りたかった」と伝えました。

その後、本日の予定が以下の通り案内されました。


・開始時間を1時間早めず、通常通り1回目は9時からスタートする
・1回目のみ私とKさんは日本人ガイドが案内する
・終日3人の日本人ダイバーはフィリピン人ガイドが案内する
・1回目のみUさんとS氏はバンカーボートの真下でセルフダイビングとする
・1回目が終わったら私とKさんはバンカーボートを降り、その後はI氏と合流!?!?



最初に念願だった日本人ガイドと潜り、その後、なんとI氏が有名水中写真家さんを

ガイドするダイビングに2回もご一緒させて頂くことになったのです!

嬉しいやら恥ずかしいやら、とても幸せな一日になりました。

私は35年ダイビングを続け、旅先で名前の知れた水中写真家に遭遇したことは数回ありました。

けれど、取り巻きに囲まれて「自分はシャッターを押すだけ」的な感じの人ばかりだったので、

人間的な魅力を感じたことは一度もありませでした。

ところが今回お逢いした有名水中写真家さんは、単独で行動されカメラの準備も全てご自身、

ガイドのI氏が手伝ったことは水中で2台の水中カメラの使わない方を持つことだけでした。

私とKさんが加わったことに嫌な顔ひとつせず、物静かながらユーモアも交えて笑顔で話され、

それを仕方なくしている感じもなく、円熟した美しい魂の持ち主だとわかる方でした!

海の美しさ、素晴らしさを伝えるために生まれてきたような方でした!

技巧に走らない巧さが光る心の残る作品を次々と撮り続けられている方でした!

もちろん1回目の日本人ガイドとのダイビングもとても楽しいものでした。

日本語で説明を受け、水中ノートに日本語で生物名を書いてくれて、

美しい風景の場所を案内してくれて、ここ数日の憂さがそれだけでも吹き飛んだ思いでした。

そして2回目、3回目のI氏のガイドも素晴らしく、この方にも円熟した光を感じました。


たった1回のダイビングだけ、日本人ガイドを私達に奪われたUさんはどうしたでしょうか?

書くだけで波動が下がりそうなので、それはご想像にお任せします(笑)


「底辺の光」と「円熟した光」に出逢い、大いに学ぶことが多い旅でした。

まっとうに生きていれば早かれ遅かれ幸運は訪れます。

けれどハイヤーセルフに繋がると幸運の訪れは急速に早まることを実感した旅でもありました。

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