27. 今日1日だけのために来たソウル ②

~通らざるを得なかった通過点~

私が朝鮮戦争について韓国の方にいろいろ尋ねたいと思ったのは、全てのきっかけとなった

映画「タイフーン」で目の当たりにした南北分断の悲劇を、書物や日本国内にいて得られる

情報だけで理解していたので、より深く掘り下げて勃発直前の状況や勃発する原因で曖昧

な部分を確かめたかったからです。残念なことですが朝鮮半島を「日本が支配していた時代」

に共産主義の思想が世界的に広まりました。ここでいう「残念なこと」とは、朝鮮半島を日本

が支配していた時代があったことを指し、共産主義が世界的に広まったことではありません。

ただ結果的には共産主義には間違いが多いと実証され、ベルリンの壁が崩壊、ソ連崩壊と

と歴史は流れて行きました。私が知りたかったのは「日本が支配したことだけが共産主義

の広まった原因なのか」それとも「他に要因があったのか」どうかです。それを韓国の方は

どんなふうに受け止めているのか、T氏は冷静な方なので、ご自身の意見と一般論の両方を

尋ねることが可能でした。とても微妙な問題なので書き方も難しいですが、当然日本が支配

しなかった国であっても共産主義が広まったところはあり、日本の支配だけが諸悪の根源で

ないのは客観的にみれば確かで、単純に考えれば日本の支配が終わった時、考え方の違う

2つの大きな勢力がなければ、分断されることはなかったと思います。


LVT-P3 水陸両用装甲車
LVT-P3 水陸両用装甲車(アメリカ製・朝鮮戦争 仁川上陸作戦等で活躍した装甲車)


T氏の考えも一般論も、共産主義の広がりは歴史の流れの中で「通らざるを得なかった通過点」

現状に満足出来なければ別の考え方が良く見えて、きっと今よりは良い暮らしが出来るだろう

と希望を抱いた結果だったのではないかということでした。もちろん「悪いのは全て日本だ」

との極端な意見もあるかと思いますが、複雑に絡まりあった歴史の流れからいって、決して

日本の支配だけが全ての原因ではないと理解はしながらも、悲しい歴史が消えることはなく

「もしも日本に支配されていなければ」と、何かがある度に思ってしまう気持ちは人間して

理解できることだと私自身は思いました。共通の歴史認識や歴史的評価が定められていない

特に明治維新以降の日本と朝鮮半島での出来事を、私感だけで語ることを両国が控え、

事実だけを冷静に見つめてゆくことが、いかに大切で、いかに難しいことかを実感しました。

その意味において、ソウルの「戦争記念館」は、先日の繰り返しになりますが、非常に冷静に

真実のみを伝えようとする姿勢が全面に出た、私達がともすると誤解しがちな部分を払拭して

くれるような素晴らしい施設だと思います。誤解しがちな部分とは、大変言い方が難しく

語弊があるかもしれませんが「感情的・情熱的な国民性」に映る面があるという意味です。

このような施設を首都であるソウルの真ん中に位置する場所に建て、祖国を守った人々を

称え敬うことは、たとえ歴史認識が異なっている相手が作ったものであっても、尊敬すべき

見習いたい点だと考えています。お互いに譲れないと思うことも、それでも歩み寄らなければ、

いつまでも平行線が続きます。先ずはお互いが、相手の良い面だけに目を向けて、たくさん

見て、称え合うことが、国レベルでの交渉や交流のみならず、一個人として可能な草根の交流

の第一歩ではないでしょうか。

つづく
関連記事
プロフィール
カテゴリ
管理人へのメールはこちら

初めての方は、送信される前に
カテゴリ「メールの返信について」を
ご一読くださいますようお願いします。


e-mail


メールは公開されません。

CalendArchive
CASIO-Calendar
QRコード
QR
template
・template サブカルシート HiRo
・background-image kaze-sora.com
・header-image JJGallery
リンク