385. 初めての空に会う

私が日頃大変お世話になっている友人の 早苗さん は30年以上も前から韓国に興味を持ち

幅広い分野で交流活動を続けておられる方です。その中でもハングル書芸と韓国料理の腕前は

一流なので、韓国に興味をお持ちの皆さまに紹介出来たらと思い相談したところ、快諾くださり

当ブログに新たなカテゴリー 「SANAEさんの部屋」 を設ける運びとなりました。

ちなみに韓国伝統舞踊の金順子先生と出逢うことが出来たのも彼女のお蔭で、主な公演には

必ず同行しております。不定期になるかとは思いますが、彼女の書芸をはじめとした諸作品、

とびきり美味しい韓国料理のレシピなども載せて行く予定ですのでどうか宜しくお願いします。


第1回目は、2011年5月11日~17日 韓国ソウルの仁寺洞にある 韓国美術館で開催された

書芸展に出品した作品が、韓国のネットユーザーから絶賛された話題について紹介します。

読書(歴史書)、展覧会の鑑賞、歴史的建造物探訪などを趣味にされ、韓国の伝統文化に

深い知識と理解をお持ちの教育関係者である mulim1672さまの ブログ 「茂林 知好樂齋」

から引用させて頂きました。ブログに集うコメンターの皆さまもハンドルネームから推測して

知的な雰囲気が漂う方ばかり、正直な感想や忌憚のない意見は一読の価値がある面白さです。

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<ここからブログ「茂林 知好樂齋」 の記事が始まります>

처음으로 하늘을 만나는 (야마구치 글씨)
初めての空に会う(文字 山口)

山口早苗 作 初めての空に会う

<以下は作品の内容です>

처음으로 하늘을 만나는 새처럼
初めて空に会う鳥のように

처음으로 땅을 밟고 일어서는 새싹처럼
初めての大地を踏んで立ち上がる新芽のように

우리는 하루가 저무는 저녁무렵에도
私たちは一日が暮れる夕方ごろにも

아침처럼 새 봄처럼 처음처럼
朝のように 新しい春のように 初めてのように

항상 새로이 시작하고 있다.
常に新た始めている。

신영복 님의 시 처음처럼 이천십일년 사월 좋은 날 야마구치 早苗
シン・ヨンボク様の詩 初めてのように 2011年4月 吉日 山口早苗


<以下は 管理人 茂林1672 さんのメッセージです> 

*일본 사람 야마구치란 분의 한글입니다.
*日本人 山口という方のハングルです。

월정선생님 문하중 일본에서 서예를 연구하며 지도하는 曙峰金周會 회원의
제자되는 분의 글씨라 소개 받았습니다.
ウォルヂョン先生の門下の中、日本で書道を研究して指導する曙峰キム・ジュフェ 会員の
教え子の方の字だと紹介を受けました。


한글 판본체를 익숙하게 구사하는 데
글씨의 변화를 주는 것이 일본의 새로운 기품을 보는듯합니다.
ハングル板本形式を良く知って駆使するとき
文字に変化を与えることが日本の新しい気品を見るかのようです。



<ここからはブログ来訪者のコメントと管理人の返事です>

2011.06.28 07:38
은하수(天の川)
일본인이지만 멋진 한글필체네요
日本人だが素敵なハングル筆記体ですよね。

2011.06.28 10:05
mulim1672 (茂林1672)
한글 서예를 배운다는 자체부터가 관심이 갑니다. 멋진필체입니다.
ハングル書道を学ぶという自体から関心が向きます。素敵な手書きです。

2011.06.28 09:59
Ich bin (私は…)
어머? 저 글이 일본사람이 쓴 것인가요? 전 한국사람인데도.......
하늘과 새라는 글에서 움직임이 느껴지네요. 생동적인 움직임이  
あら? あの文字は日本人が書いたということでしょうか?  私は韓国人なのに…
空と鳥という文字で動きが感じられますね。生動的な動きが。 


2011.06.28 10:06
mulim1672 (茂林1672)
갈필의 효과를 잘 낸것 같습니다.
渇筆の効果をよく出したようです。

2011.06.28 11:08
만유(万有)
놀랍군요! 일본사람이 한글을.....이름이 좀 특이 하군요. 볏모(早苗).....
문득 맹자 공송추 상 중에서 이런 글귀가 떠오릅니다.
驚くべきですね! 日本人がハングルを… 名前がちょっと珍しいですね。
苗代から田へ移し植えるころの稲の苗 (早苗)
ふと孟子の公孫丑(こうそんちゅう)上(孟子と弟子の公孫丑との対話)の中で
こんな句が浮び上がります。


송나라 사람이 모내기를 한 이후 벼가 잘 자라지 않음을 근심하여
벼의 싹을 뽑아 올려놓고 황망히 집에 돌아와 집안사람들에게 말하기를
宋の国のある農民が苗を植えた以後稲がよく育たないことを心配して
稲の苗を一本ずつ引っこ抜いて伸してやり、家に戻って家の人たちに言うには


“ 오늘 피곤하구나! 내가 벼의 싹이 자라는 것을 도왔구나!”
「ああ今日は疲れた。(苗があまりに小さいから)私が苗の伸びるのを助けたよ」

그 아들이 논으로 달려가 가보니 벼는 이미 말라 죽어 있었다.
その息子が畑に走って行ってみると稲の苗はすでに枯れていた。

세상에는 이렇게 싹을 뽑아 올리는 일을 하지 않는 자가 적으니,
무익하다고 해서 내버리는 자는 곡식을 김매지 않는 자이고,
이를 억지로 자라게 하는 자는 싹을 뽑아 올리는 자이다.
世の中にはこのように苗を助けて伸すような余計なことをする者が少なくない。
無益だからといって苗を植えながら草むしりもしないで放っておくと十分育たない。
これを無理やりに育つようにする者は苗を抜きあげる者と同じだ。


이런 일은 한갓 유익함이 없을 뿐만 아니라 도리어 해로운 것이다.
このような事は少しも有益さがないだけでなく、かえって有害なのだ。

(宋人有閔其苗之不長而揠之者 芒芒然歸 謂其人曰 '今日病矣! 予助苗長矣!'
其子趨而往視之 苗則槁矣 天下之不助苗長者寡矣 以爲無益而舍之者 不耘苗者也
助之長者 揠苗者也 非徒無益 而又害之)
苗を早く生長させようと思った宋の人が苗を引き抜いて枯らしてしまったという
「孟子」公孫丑上の故事から不必要な力添えをして、かえって害すること。


글씨를 잘 볼줄은 모르나 어쩐지 조장하는 모양이 엿 보인다
생각되어 맹자의 이 말을 인용해 봤습니다.
文字を良く見ると思わないが、なんとなく助長する様子が覗き見えると
思われて孟子のこの言葉を引用してみました。


글쓴 이에게 너무 실례되는 인용이 아닌가 하여 죄송한 생각 또한 듭니다.
무림님!
文字を書いた方にとても失礼な引用ではないのかと思って申し訳ない気もします。
茂林様!


2011.06.28 11:32
mulim1672 (茂林1672)
서예작품을 보시고 옛 고사를 상기하여 소개해 주심 감사합니다.
작가인 일본인의 이름이 山口早苗로 이름처럼 작품도 그런면이 있는듯 합니다.
書道作品を見て昔の故事を思い出して紹介してくださりありがとうございます。
作家の日本人名が山口早苗で名前のように作品もそのような面があるように思います。


2011.06.28 19:36
가야인(伽揶人)
일본 사람이 쓴 것이라고는 생각할 수 없을 정도로 솜씨 좋은 서예작품입니다.
계속 정진하여 한글사랑으로 이어졌으면 좋겠습니다.
日本人が書いたとは思えないくらい腕前の良い書道作品です。
ずっと精進してハングル愛につながったらと思います。


2011.06.28 23:07
mulim1672 (茂林1672)
일본에서 서예를 공부하는 분이 일본 현지에서 한글을 지도한것이랍니다.
아마 한류의 붐에 한글을 배우는 일본인들이 많은가 봅니다
日本で書道を勉強する方が日本現地でハングルを指導したということです。
多分韓流ブームでハングルを学ぶ日本人たちが多いようです。

401. 東京都美術館 展覧会のご案内

1978年に締結された日中平和友好条約の35周年を記念して、4月24日(水) ~ 月30日(火)

「第18回 ~全日中展~ 東京国際美術大展」が 全日本中国水墨芸術家連盟・社団法人日中協会

(日本外務省所管)の企画主催 により 東京都美術館 で開催されます。


4世紀の中国・東晋(とうしん)時代に書を芸術に高めた書聖 王羲之(おうぎし)が、

最高傑作といわれる 蘭亭序(らんていじょ)を書いたのは 癸丑(みずのとうし)の353年。

その353年から1560年後の1913年は、中国の *六十干支 (60年を周期とする暦)で26周した

記念すべき年であったため、日本と中国の著名な書道家たちにより、東京・京都・北京・杭州で

書の祭典 「蘭亭会」 が盛大に開催されました。

それから100年目の今年、「第18回 全日中展・東京国際美術大展」 では 東京蘭亭百周年記念 

として 書聖 王義之の第49代目子孫にあたる 王梅慶先生の 「書法作品真蹟展」と「特別講演」、

「日本書道家協会交流特別展」、同時開催 「中国精英書画家訪日作品展」 が展開されます。


以上のような節目の年に 早苗さん が 「日本書道家協会交流特別展」 に ハングル書芸作品を

出品されますので、ご案内させて頂きます。



◎ 場所: 東京都美術館

◎ 内容: 水墨画、書、水彩画、油彩画、日本画

◎ 展覧会期: 平成25年4月24日(水)~4月30日(火)

◎ 開催時間: 9:30~17:30 (入場は17:00まで)

 ○初日は14:00~17:30  ○最終日入場は13:30まで 閉会は14:00

◎ 休館日: 開催期間中は休館日無し

◎ 展示室・ギャラリー: ロビー階 第1展示室 

◎ 観覧料: 無料



第18回 全日中展・東京国際美術大展
第18回 全日中展・東京国際美術大展 案内ハガキ


上野公園 博物館・美術館
上野公園 博物館・美術館  上野・浅草エリア地域情報サイト より


早苗さん は今回、中国・中唐時代の詩人 白居易(はくきょい 字 白楽天) が地方長官として

杭州 に住んでいた時に作った 七言律詩 「春題湖上」 の四句 月點波心一顆珠 を ハングルと

漢字で表現される予定です。 (作品は後日このブログにて詳しく紹介させて頂きます)

GW前半 上野駅周辺の文化施設では魅力的な催しが多数開催されておりますので、お出かけの際

お時間に余裕があれば、ぜひ 東京都美術館 ロビー階 第1展示室 へ お運びくださいませ。


*六十干支
十干 (甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸) と 十二支 (子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥) の組み合わせ


つづく

405. 西湖の春 月點波心一顆珠

東京都美術館 展覧会のご案内 (第18回 ~全日中展~ 東京国際美術大展)のつづきです。

私は 「昭和の日」の4月29日(月)に行って来ました。

最近 「中国」 と言えは、大気汚染・鳥インフルエンザ・尖閣諸島問題etc. 良からぬ印象を

お持ちの方も多いかと思いますので暫し忘れて頂くため、作品の出所である漢詩 「春題湖上」

の舞台となった浙江省(せっこうしょう)杭州市(こうしゅうし)にある西湖(せいこ)の美しい写真を

ご覧になってください。 (クリックすると大きくなります)


春题湖上-西湖美景 春题湖上


中国検索サイト百度に [百科] というコーナーがあり、そこに美しい写真をはじめ作品原文・

作品注釈・創作背景・作品鑑賞・作者紹介が簡体字で載っていました。

春题湖上    白居易

湖上春来似画图,乱峰围绕水平铺。

松排山面千重翠,月点波心一颗珠

碧毯线头抽早稻,青罗裙带展新蒲。

未能抛得杭州去,一半勾留是此湖。
     


そして以下は私の下手な日本語訳です。

西湖の春    白居易

西湖のほとりは春が来ると絵のように美しく、山々に取り囲まれた水面は鏡のように穏やか。

松の緑は山肌を幾重にも敷き詰め、月は湖水に影を落として一粒の真珠のようだ

濃い緑色の絨毯の毛先のような若い稲穂、青い薄絹の裾と帯のように見える蒲の穂。

どうしても杭州を去ることが出来ないのは、半ばこの西湖に引き止められているからだろうか。



又、以下は 簡体字の詩を 中国語変換サイト で変換したものです。

春題湖上    白居易 

湖上春來似畫圖,亂峯圍繞水平舖。

松排山面千重翠,月點波心一顆珠

碧毯線頭抽早稻,青羅裙帶展新蒲。

未能抛得杭州去,一半勾留是此湖。



早苗さんの作品は、白居易が杭州を去りがたいほど美しいと幾度も称賛した西湖の春の

最も美しい一節 「月點波心一顆珠」 をハングルの板本体(판본체)と漢字で表現しています。

板本体(판본체)は、世宗大王が制定した「訓民正音」などの板本に使われた古い書体で、

古体または正音体(정음체)とも呼ばれているそうです。他に 宮体(궁체)・流し体(흘림체)

・民体(민체)などがあり、ハングル書芸を学ぶ人は一通りの書体を全て習得するそうですが、

私は 板本体 が最も ハングル らしい ハングル だと感じられるので好きです。


日本人が中国の漢詩を愛し、ハングル文字の最も伝統的な板本体を愛し、それを形にして

表現できることに深い意義と期待感を抱きながら、早苗さんの作品の前に立ちました。


月點波心一顆珠
月點波心一顆珠 早苗


この後、最大級のサプライズが待っているとは知る由もなく…  つづく

406. 言葉さえも要らない時がある

西湖の春 月點波心一顆珠 の つづき です。

今回の 「第18回 全日中展・東京国際美術大展」 では 東京蘭亭百周年記念として 

書聖 王義之の第49代目子孫にあたる 王梅慶先生が来日され、 27日には「特別講演」 が

開催されたと事前に聞いていました。正直なところ興味本位で有名な 王義之 の子孫に私も

お逢いしてみたいとは思いましたが、既に講演が終わった2日後では遅きに失した感があり

まさかご本人が突然目の前に現れるとは期待も想像もしていませんでした…


レセプションパーティで同じテーブルだった 早苗さん を覚えていてくださった王梅慶先生、

私は早苗さんから紹介を受けました。片言の中国語も出来ずお互い全く言葉が通じないのに

懐かしい方と再会したような錯覚をおこすほど自然に逢えた喜びを全身で表せたようです。

それに対し先生も同様に穏やかで自然に応じてくださり、両国間の難しい問題も言葉の壁も

さっと取り払われて共鳴し合えたような、これぞ草の根交流の原点だと思える瞬間でした。


2013080401.jpg
王梅慶先生の作品


書道に限らず全ての芸術作品の良し悪しを判断する基準は、良い波動が感じられるか否か

魂が込められているか否かに尽きるという持論を持っている私は、書道の知識が皆無でも

もし王梅慶先生に 「書聖 王義之の第49代目子孫」 という肩書きが無かったとしても、

作品に共感出来るので幸せです。それは当然 早苗さん の作品に対しても言えることであり

微力でも応援を続けていきたいと思う所以なのです。


王梅慶先生と
王梅慶先生と早苗さん


尚、4月27日の特別講演会の様子は、こちら をご覧ください。

又、以下は 中国のサイトで見つけた 嵊州旅行記 からお借りした画像です。

浙江省紹興市嵊州市 公文書保存館 王義之 家系記録帳 表紙
浙江省紹興市嵊州市 公文書保存館 と 王義之 家系記録帳 表紙
家系記録帳と王梅慶先生 王義之 家系記録帳
王義之 家系記録帳 と 王梅慶先生


幸せな気分で東京都美術館を後にした早苗さんと私には更なる幸せが待っていました。


上野公園を抜けてアメ横方面に向う途中、反対方向から一眼レフカメラを首に下げた長髪の男性が

にこやかに歩いて来たと思う間もなく、早苗さんと再会を喜び合っているではありませんか!

今回の「第18回 全日中展・東京国際美術大展」に絵画を出展された、中国 西南大学教授で

油画技法研究がご専門の 馬一丹 先生だそうで、力強い独特のタッチで人間の内面を鋭く描いた

作品は、栄えある美術展での受賞も多いとのことです。

でも全くのような素振りを見せることなく、私にさえ気さくに接してくださいました。


日頃から朝鮮半島ばかりに目を向けがちですが、中国との友好も非常に重要であり、

日中韓3国が歴史的・地理的因果を乗り越えて手を携えることが出来たなら…

そんな気持ちが芽生えた記念すべき1日でした。
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